2009 Fiscal Year Annual Research Report
地震など危機状態に即応する安全性確保の滑り軸受の開発とそのトライボロジー解析
Project/Area Number |
19560150
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
林 洋次 Waseda University, 理工学術院, 教授 (10063760)
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Keywords | 滑り軸受 / トライボロジー / 機械機能要素 / 設計工学 |
Research Abstract |
地震や津波などの突発的な自然災害では救援運搬手段、復旧活動ではライフライン確保のための発電設備や給排水ポンプまた食料運搬のための輸送機械が重要である。基幹産業の充実確保が人間の命を左右することから、本研究は、発電所で使用される水車・タービン・ポンプなど回転機械の滑り軸受また自動車や船舶など運送機械で使用されるエンジンの滑り軸受に対して、地震などの衝撃荷重が作用した場合も安全に運転ができる新しい滑り軸受を開発する。そこで、初年度の平成19年度は、衝撃荷重が作用するジャーナル滑り軸受試験機を開発試作し、静特性ならびに動特性の計測方法を確立した。2年目の平成20年度は、本科研費で購入した高速度ビデオカメラと現有の高速度ビデオカメラの2台を同期させ、軸受を透明材料で製作して軸受隙間内の油膜状況の観察を試みた。 本年度の平成21年度では、実験的研究として、軸と軸受の衝突を防止する安全装置を新規に製作し、衝撃荷重によって高速度で軸心軌跡が変動する実験条件下で、高速度ビデオカメラによって、油膜破断の状況を撮影すると同時に、油膜圧力の変動過程も計測し、その潤滑メカニズムを明確にする動的油膜挙動を実験的に検討した。一方理論的研究として、油不足の潤滑状態も配慮し、動的油膜挙動を考慮した油膜形成領域の境界条件式あるいは油膜破断領域の支配偏微分方程式を新たに考案し、変動あるいは衝撃荷重下の有限幅真円ジャーナル滑り軸受に対する偏微分方程式のレイノルズ方程式をルンゲクッタギル法と逐次緩和法によって差分方程式を初期値境界値問題として数値解析し、軸心軌跡、圧力変動、油膜の形成領域および消滅領域を刻々と算出した。 来年度は、実験結果と比較検討することによって、動的潤滑油膜の理論解析の系統的な取扱いを確立する。
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Research Products
(4 results)