2010 Fiscal Year Annual Research Report
地震など危機状態に即応する安全性確保の滑り軸受の開発とそのトライボロジー解析
Project/Area Number |
19560150
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
林 洋次 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10063760)
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Keywords | 滑り軸受 / トライボロジー / 機械機能要素 / 設計工学 |
Research Abstract |
初年度の平成19(2007)年度は、ピストンピンボス軸受・コンロッド小端部と大端部軸受・主軸受の4種類の滑り軸受の諸性能を解明する精密なエンジン軸受試験機を開発試作し、静特性ならびに動特性の計測方法を確立した。2年目の平成20(2008)年度は、本科研費で購入した高速度ビデオカメラと現有の高速度ビデオカメラの2台を同期させ、透明材料で製作した軸受を撮影すると同時に軸受隙間内の油膜圧力と軸心奇跡を測定し、軸を回転させ、油膜破断過程を高速度ビデオカメラによって解明した。3年目の平成21(2009)年度は、実験的研究として、変位強制加振方式を採用し、電磁加振機と振動する軸受ブシュの接続部品の強度を向上させ、実験装置の改良設計を行い、軸と軸受の衝突を防止する安全装置を新規に製作し、高速度で軸心軌跡が変動する実験条件下で、高速度ビデオカメラによって、計測システムを制作した。また、理論的研究として、変動あるいは衝撃荷重下の有限幅真円ジャーナル滑り軸受に対する偏微分方程式のレイノルズ方程式の解析方法を検討した。 最終年度の本年度の平成22(2010)年度は、本研究の総まとめを行った。本年度の実験的研究では、軸の回転速度を停止状態から上昇させ一定回転速度で運転した後に回転速度を減少させ停止するまでの過渡状況に着目し、軸受隙間内の油膜破断の発生成長消滅過程を高速度ビデオカメラによって撮影すると同時に、油膜圧力と軸心軌跡の変動過程も計測した。また本年度の理論的研究では、エンジン軸受を解析する新解法として、反復計算を導入した簡便解法を提案し、従来のルンゲクッタギル法に比較し、30%の演算時間で数値計算可能で、衝撃荷重下のエンジン軸受解析に有効な解法であることを立証した。
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Research Products
(2 results)