2008 Fiscal Year Annual Research Report
転がり軸受や表面被覆と潤滑剤の活用による超低摩擦ディーゼル機関トライボロジー技術
Project/Area Number |
19560152
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
副島 光洋 Kyushu Sangyo University, 工学部, 教授 (40037990)
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Keywords | ディーゼル機関 / トライボロジー / 摩擦摩耗 / すべり軸受 / 転がり軸受 / エンジン油 / コーティング / Low-SAPSオイル |
Research Abstract |
本研究の目的は、[1]軸受部のすべり接触要素から転がり接触要素への変更によるメカロス低減、[2]オイルの低粘度化による摺動部の粘性摩擦低減、[3]要素部品表面の仕上げやコーティングによる境界摩擦・摩耗の低減、[4]オイルへのナノ・パーティクル固体潤滑剤の配合による摩擦摩耗低減、[5]オイル性状のLow-SAPS化と摩擦摩耗低減の両立など、高性能・高信頼性エンジン・トライボロジー技術の検討である。 そこで研究実施計画に従い、まず(1)試験装置を設計製作し、OHC動弁機構カム軸などの回転駆動トルクを測定して、すべり接触部の転がり接触化による摩擦低減の条件(軸受の種類、形状、給油量など)を調べた。その際に、(2)国内外の研究動向を調査し、すべり軸受や転がり軸受、粘度等級SAE5W30やSAE5W20の低粘度の各種Low-SAPS環境対策のエンジン油などを選定して評価した。また、要素部品の表面処理技術による摩擦摩耗低減の効果、とりわけ(3)境界潤滑性や耐摩耗性を高める各種コーティング(DLC等カーボン類など)、被覆の形態、膜厚などの影響ならびにエンジン油選定の条件を調べた。その際、(4)有効なコーティングを選定するために、国内外の大学、研究所やメーカの研究者の推奨・助言とりわけ英国の中央ランカシャ大学の関連技術有識者からの有益な助言や協力を受けた。一方、(5)カム・フォロワ摩擦摩耗試験機やカム・ローラフォロワ摩擦試験機を用い、各種Low-SAPS油やそれらのすす混入汚損が摩擦や摩耗に及ぼす影響を調べた。さらに、(6)低粘度エンジン油のナノ・パーティクル固体潤滑剤(PTFEなど)調合の摩擦低減の効果や摩耗への影響を調べた。同時に、そのディーゼル機関全摩擦損失の低減効果を調べた。 本実績の詳細は研究成果報告書に記す。なお総括的に、超低摩擦ディーゼル機関トライボロジー技術として転がり軸受や表面被覆と潤滑剤の活用は有効であり、関連技術の更なる向上の必要性が明らかになった。
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Research Products
(8 results)