2008 Fiscal Year Annual Research Report
微生物バイオリアクターへのテーラ渦カオス混合の応用と血液濾過装置のための流体解析
Project/Area Number |
19560156
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 秀樹 Muroran Institute of Technology, 工学部, 教授 (20292071)
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Keywords | Taylor渦 / 固気液分離 / カオス / 混相流 / 微生物流動 / レーザードップラ流速計 / 超音波ドップラ流速計 |
Research Abstract |
1. 【TVF(Taylor Vortex Flow)濾過装置不安定現象の解析】アスペクト比(Γ)=1における内円筒回転実験において, 挿入された蛍光粒子(約20μm)が内円筒表面には接近せず, 内円筒と同軸で半径方向に僅かに距離を隔てた円軌道を周回する現象が捉えられた. これは, Couette流によるチューブラピンチ効果の一種と考えられるが不明点も残された. この現象とTVF特有のリミットサイクルの相乗効果によって粒子が内円筒ろ過表面に接近しにくいと予想される. リミットサィクルとは, 粒子がTVF渦内部に取り込まれる現象で, 目下レイノルズ数(Re)=400~800の低Re数領域で実験と数値解析で確認している. ただし, リミットサィクルは粒子の密度, 平均粒径, および初期投入位置によってもその傾向が異なり, より詳細な解明が望まれる. また超音波自己相関法による粒子速度分布計測を試みた. これより渦中の粒子のクラスター化を速度分布の変化から捉えることができ, TVFの中心付近に粒子が集合する現象が時間変化とともに計測された. 2. 【TVFとバイオリアクタにおける細胞破壊率との関係】細胞壁の弱い光合成微生物スピルリナ(光合成能力は植物の約40倍)を用いて細胞破壊率の定量実験を試みた. リアクタ装置はΓ=1のTVFを使用した. せん断により細胞が破壊されると細胞内からクロロフィルが槽内に滲み出す. その吸光度スペクトル(670ナノメートル)のピークから破壊率が定量化できる. TVF装置ではRe=60600でこのピークが検出された. リアクタの流動不安定性にも本測定法は有効であり現在計測中である.
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