2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス基板に塗布された液晶性色素液膜の乾燥に誘起される流動と構造変化の関係解明
Project/Area Number |
19560166
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 勉 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (20216732)
|
Keywords | 液晶性色素 / 塗布 / 複屈折 / 配向 / 二色性 / 流動誘起構造変化 |
Research Abstract |
本研究は液晶性色素をガラス基板上に薄く塗布することによって分子配向を発生させ,そのまま乾燥することにより光学異方性を有する機能性薄膜を製造する技術の開発を目指している.この目的のためには塗布・乾燥過程における液晶の流動配向,乾燥過程における液晶相変化,構造変化を明らかにする必要がある. 本年度は液晶の塗布・乾燥による光学異方性薄膜を作製し,観察するための実験システムの構築を行った.液晶性流体を用いてガラス基板上に均一に塗布するためのアプリケータとしてガラス製のものを製作する予定であったが技術的な問題から金属製アプリケータにより実験システムの立ち上げを行った.試料としては比較可能な測定データが豊富であるHPC(ヒドロキシルプロピルセルロース)の50%水溶液を使用した.これは液晶性色素ではないが,塗布により複屈折膜を形成することができることを確認した.液晶性色素としてAcid redなど赤,オレンジ,紫系の染料について液晶性,ガラス面へのぬれ性などを確認し,測定の準備を行った. 塗布直後から乾燥するまでの光学的な性質の変化を複屈折,二色性,小角散乱などの観察により行い,平成20年度に行う実験のための基礎データを蓄積した.塗布直後の流動過程における液晶の状態を詳細に観察するため,高速撮影可能なCCDカメラと高解像度のCCDカメラによる観察システムの設計,製作を行った.表面撮影用の接写レンズおよび分子配向観察用高倍率レンズにより塗布された駅膜表面のマクロ的な挙動および液晶相変化による顕微鏡オーダーの構造の形成過程を観察可能とする巣ステムである.高速度CCDカメラの不調によりシステム開発を現在も続けているが,塗布面の乾燥による変化が測定されている.
|