2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス基板に塗布された液晶性色素液膜の乾燥に誘起される流動と構造変化の関係解明
Project/Area Number |
19560166
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 勉 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (20216732)
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Keywords | 液晶性色素 / 塗布 / 複屈折 / 配向 / 二色性 / 流動誘起構造変化 |
Research Abstract |
本研究は剛直な棒状会合体を形成する色素の高濃度水溶液である液晶性色素を平面ガラス基板上に塗布するという簡便な方法により光学的・電気的異方性を発現する機能性薄膜を形成する新技術のための基礎研究である.非常に薄い液膜となるように塗布した液晶が乾燥する過程において示す流動,相変化,マクロ構造の形成を流体力学的手法およびレオ・オプティック手法により解明するものである. 塗布過程を詳細に観察するためにガラス製のアプリケータを作成した.塗布部におけるアプリケータと塗布面のすき間は10ミクロンとした.このアプリケータにより液晶性色素を塗布し,液晶性色素がアプリケータの塗布面に流動するまでの過程,塗布面における流動過程をデジタルCCDカメラにより観察した.この際,流動場全体を観察する際にはマクロレンズを使用し,塗布面の微視的構造を観察するためには顕微鏡を利用した. この結果,アプリケータの塗布面に試料が導入される過程でまず未充填領域が形成され,その後に塗布面全体に試料が満たされた通常の塗布過程が生じることが見いだされた.未充填領域では自由表面の伸張が支配的でせん断効果は薄い.このため未充填領域において形成された塗布面では分子配向が不十分であることがわかった.また,塗布面の出口部近傍において光学異方性が発生することが見いだされた.さらに,塗布面における試料の流動パターンを動画として得ることができ,今後の解析に対して有用な情報を蓄積することができた.
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