2007 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーマイクロプローブによる高速噴霧微粒化過程の解明
Project/Area Number |
19560176
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
植木 弘信 Nagasaki University, 工学部, 教授 (30160154)
|
Keywords | 液体微粒化 / レーザー2焦点流速計 / 燃料噴霧 / 液滴分裂モデル / ウエーバー数 / 液滴速度 / 液滴サイズ / 相対速度 |
Research Abstract |
(1)速度・サイズ同時計測システムの構築 高速噴霧が微粒化過程にあるときすなわち液滴が高数密度で存在するときの、液滴分裂の要因である液滴速度と液滴分裂の結果である液滴サイズを同時に計測するために、光学系のビームスプリッタを新たに設計・製作した。その結果、2つの焦点からなるレーザーマイクロプローブ(Laser2-Focus;L2F)において2焦点間の距離を17μmに縮小できた。さらに、液滴の飛行時間および散乱時間をクロック周波数160MHzで計測して液滴の速度およびサイズを高精度で求める信号処理系を新たに設計・製作した。また、液滴の全数計測を意図して15MHzの高データ取得周波数に向上させた。 (2)噴霧コア部における微粒化過程の計測 直径が0.113mmの微細噴孔から大気中に間欠噴射される軽油噴霧について噴孔から15mm〜30mmの位置における液滴の速度とサイズを(1)で構築されたシステムを用いて計測した。コモンレール燃料噴射システムを用いて噴射圧を40MPaに設定し、L2Fにより測定される液滴の質量の積分値が実噴射量とほぼ一致することから、L2Fが分裂過程にある全ての液滴の計測を行うことができるものと判断された。 (3)液滴の速度・サイズと周囲空気速度の計測 サイズが0.5μmのオイルミストは空気流動に追随するため、オイルミストを含む空気中に噴射される軽油噴霧液滴の速度およびサイズを計測し、サイズ0.5μmの液滴の速度データを空気速度として取り扱って、液滴速度と空気速度の差、すなわち相対速度を代表速度としてウエーバー数を評価した。その結果、噴射圧が40MPaにおける噴孔下流25mmの位置では、バグ分裂が生じるウエーバー数12以上の液滴が存在するもののその割合は少ないことから、液滴分裂はほぼ終了しているものと判断された。
|