2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19560177
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
川原 顕磨呂 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (20224818)
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Keywords | マイクロチャンネル / 気液二相流 / 気泡速度 / ボイド率 / 気泡長さ / 圧力損失 / 流動様式 / 二流体モデル |
Research Abstract |
本研究はCPU等の各種電子機器の冷却のための熱交換器や気-液間の反応を行うマイクロリアクタ等の気液二相を利用したデバイスを対象とし,マイクロ流路(500μm以下)における気泡挙動を制御することを目的としている.そこで,今年度の研究では流路形状,流路段差および液物性値(表面張力,粘度等)がマイクロチャンネル内の二相流動に及ぼす影響を調べた.具体的には供試流路としてPDMS製の水力学相当直径が250μmの矩形マイクロチャンネル,作動液体に蒸留水,エタノールおよびHFE(ハイドロフルオロエーテル)を用い,流動様式,気泡速度,気泡長さ,ボイド率と圧力損失を測定した.そして,それらのデータを記述するモデルの検討を行った.以下に得られた主な知見を要約する. ・擬似均質流,擬似分離流およびレイヤー流の三つの流動様式を観察した.それらの流動様式を記述する新たな流動様式線図を得た. ・気泡の速度は物性値に大きく依存することが分かった.また,流路形状(矩形と円形)にも影響を受けることが分かった.新規に開発した分布定数を組み込んだドリフトフラックスモデルで気泡速度を予測できる. ・ボイド率は液物性値に依存することが分かった. ・擬似分離流における気泡長さはGarsteckiらのモデルで記述できることが分かった.一方,擬似分離流の気泡長さは彼らのモデルより非常に長くなり,新たな式の開発が必要である. ・摩擦圧力損失は新たに開発したCモデルを組み込んだLockhart-Marinelli法で予測可能であった. ・新規に開発した壁面摩擦力および気液界面摩擦力の構成式を組み込んだ二流体モデルは,ボイド率および摩擦圧力損失を精度良く予測できた.
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Research Products
(6 results)