2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560197
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
奥山 邦人 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 教授 (60204153)
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Keywords | 熱工学 / 過熱水蒸気 / 含水多孔質 / 急速水蒸気生成 / エネルギー利用効率 |
Research Abstract |
本研究は、含水多孔質と発熱コイルを利用した簡易な装置で迅速かつ高効率で過熱水蒸気を発生させる方法について、種々の実験パラメータの影響を調べ、より高性能な過熱水蒸気発生方法を提案するための学術的な指針を得ることを目的とする。 平成19年度は、平均細孔径の異なる二種類の多孔質材料(イソライトB5とC1)を用い、過熱水蒸気生成特性並びにエネルギー利用効率について調べた。また多孔質とコイルヒータの接触状態の影響を調べるとともに、多孔質細孔内部での過熱蒸気生成の可能性の検討を行った。 実験では、多孔質試験体(50mm×50mm×80mmの直方体)の中央に直径8mmの貫通穴をあけ、カンタル線のコイルを穴の内面に接するように配置して貫通穴の一端を閉じ、浅く水を張った皿に多孔質体底面を浸して水を十分吸収させた後、コイルを通電加熱し、他端の穴から流出する蒸気の温度とその時間変化、蒸気生成速度、エネルギー変換効率などを調べた。 その結果、蒸気生成の迅速性は上記材料やコイルの接触状態にあまりよらず、細孔径のより大きな材料の方が同じ加熱量でもより高温の過熱水蒸気を生じやすいこと、またコイルと多孔質の接触が弱い(押しつけ力が小さい)ほどより高温の過熱水蒸気を生成する傾向にあること、さらに発生した水蒸気は貫通穴部を通過する際のコイルによる加熱よりもむしろ主に多孔質細孔内部において過熱状態にまで加熱されている可能性が高いことなどが実験により示された。エネルギー変換効率は上記の材料によらずコイルの接触が良好な場合には90%以上、接触が弱い場合でも80%以上であった。
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Research Products
(1 results)