2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560200
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
福田 充宏 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (70199222)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 正 静岡大学, 工学部, 教授 (60126787)
|
Keywords | 地球温暖化 / 自然冷媒 / 二酸化炭素 / 膨張機 / 冷凍サイクル / タービン |
Research Abstract |
自然冷媒である二酸化炭素を用いた冷凍サイクルの性能を向上させるために,膨張機による絞り損失の回収が検討されている。これまでは主に容積形の膨張機の使用が検討されてきたが,小型の膨張機では漏れ損失が相対的に大きくなること,容積形の膨張機の運転には潤滑油が必要でありそれが熱交換器に流入して効率低下を招くこと,摩擦摩耗が発生すること,部品点数が多いこと等の問題があった。そこで本研究では,それらの問題がないタービン形の膨張機について,その基本的な性能と特性を実験的に調査することとした。 タービン形膨張機を用いて膨張動力を回収するために必要な技術課題は大きく2つある。一つ目は有効なエネルギーを運動エネルギーに変換するための遷移臨界膨張ノズルの開発であり,もう一つはその運動エネルギーを回収するタービンの開発である。遷移臨界膨張ノズルに関しては,様々な形状のノズルを試作してノズル出口流れの可視化を行うとともに,ノズル噴流による作用力を測定することによりノズル性能の測定を行った。その結果,設計点ではノズル出口において超音速を得ることができ,最大効率は拡がり角2°の中細ノズルにおいて0.64であった。また,ノズルのジェットはすぐに運動量を失うため,ノズルからタービンまでの距離を15mm以下とする必要があることが分かった。 一方タービンに関しては,衝動形と半径流形の2種類のタービンを試作して,発電機を負荷として運転を行うことができたが,その性能は0.75%と低かった。これは発電機の仕様が容積形膨張機に合わせた低速高トルク形のものであったためと,ケーシング内の円盤摩擦損失が大きかったためである。来年度は円盤摩擦損失の少ない半径流形タービンにおいて,タービンの円周に複数のノズルを備えた膨張機を試作し,その流動特性と性能を検討する。
|