2008 Fiscal Year Annual Research Report
細線による空間2次元変動温度場計測法(サーモネット)の開発
Project/Area Number |
19560202
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田川 正人 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (80163335)
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Keywords | 温度計測 / センサ / 応答遅れ / 時定数 / 周波数応答 / 応答補償 / 乱流 / 熱電対 |
Research Abstract |
流体温度の空間分布を可視化する技術として,高出力レーザや超音波を用いる計測法が開発されている。ただし,一般に非常に高価であり,適用範囲が限定される点に問題がある。本研究の目的は,筆者らが長年研究してきた「細線温度センサ」と「適応応答補償」を基礎として,空気や水などの流体温度の空間分布を可視化する安価で安全かつ信頼性の高い可視化技術を開発することである。 1) 線径が異なる2つの細線熱電対(本研究では素線径25μmと51μmのK熱電対)を一対とする温度センサ(二線式熱電対)24個を直線上に配置して1次元温度プローブを構成した。この温度プローブに筆者らが先に開発した適応応答補償法(応答速度が異なる2つの温度センサの測定値から時定数を推定し応答補償する方法)を適用することにより,空間1次元で変動温度場を計測できる技術を開発した。 2) 上記の1次元温度プローブで空間(気流)を走査することにより,流体温度の空間分布を再構成する技術を開発に着手した。最初に,1次元温度プローブが出力する時系列データを適応応答補償した後,温度分布として画像表示する計測システムとデータ処理法を開発した。一例として,本システムにより,円形空気噴流の温度分布が1次元空間座標と時間軸で構成される2次元平面上に適切に再現されることを確認した。 3) 温度分布形状を空間2次元で再構成するために,走査されたプローブの軌跡を追跡・捕捉する画像処理システム(ビデオカメラと画像処理ボードにより構成)と応答補償後の温度分布を測定対象の画像上に重ねて提示するソフトウェアを試作して,その有効性を検証した。
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