2008 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガス冷凍機に適応されるエジェクタ内に発生する二相流衝撃波に関する研究
Project/Area Number |
19560204
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中川 勝文 Toyohashi University of Technology, 工学部, 准教授 (50135414)
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Keywords | 冷凍サイクル / 炭酸ガス / エジェクタ / 衝撃波 / 膨張波 / 二相流 / 成績係数 / 臨界状態 |
Research Abstract |
地球温暖化の問題に対し,冷媒のノンフロン化は急務である.その最も有望な自然冷媒である炭酸ガスは膨張仕事の増大のため,大きなコンプレッサ仕事を必要とし,成績係数が低下する.二相流エジェクタは膨張弁の代わりに使用され無駄に捨てられている膨張仕事をコンプレッサ仕事に変換し成績係数を向上させる.このエジェクタの効率を高め,コンパクト化し,実用化技術を提供することが本研究の目的である.そのため,二相流エジェクタ内の臨界点近傍での高速二相衝撃波や膨張波の特性を,実験的で明らかにした。 まず,炭酸ガス給湯器を改造して炭酸ガス冷凍機を作成し,エジェクタ内の混合部の特性を調べる実験を行った.混合部の長さの異なるエジェクタを作製し、その混合特性を調べた結果,エジェクタの混合部がある距離よりも長いとき,混合部内で圧力が急激に上昇する衝撃波を測定した.そして,この衝撃波の発生条件を明らかにし,この衝撃波を伴う二相流エジェクタの成績係数が膨張弁サイクル比べ大きくなることを実証した. また,二相流エジェクタの混合部に発生する斜め衝撃波と膨張波を基礎的に調べる研究が行われた.理論解析によって,斜め衝撃波の発生条件や斜め衝撃波の角度を明らかにした.さらに,2次元膨張波の特性を二相流の音速に関連付けて示した.そして,これらを実験で示した.この研究成果によって,二相流エジェクタの超音速流での設計方法が確立し,冷凍・空調産業における二相流エジェクタの高効率化と高速化の指針を示すことが出来た.
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