2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 充弘 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (10229578)
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Keywords | 熱伝導 / 分子動力学 / フォノン / 熱物性 |
Research Abstract |
本研究は、複雑な構造を持つ電子デバイス素子などのナノ構造物の熱物性を、分子シミュレーション・格子振動(フォノン)解析・マイクロスケールシミュレーションを併用して調べ、統合的な熱物性・熱特性シミュレータを開発することを目的とする。 このために、分子レベル/ナノスケールのシミュレーションとモデリングを経て、マイクロメートルスケールの熱輸送予測ができるシミュレータの構築をめざす。 本年度は、主として、分子スケールの現象とそのモデリングに重点をいて以下のように研究を進めた。 ○分子スケールシミュレーション:10nm程度以下の空間スケールでの熱特性を求めるため、モデル結晶薄膜系を対象とした非平衡分子動力学シミュレーションを行い、次段階の格子振動解析のための基礎データを得た。またナノ構造物を構成する典型的素材であるSi, Si02, SiC, SiNなどについて、平均自由行程を超えたスケールの系を扱うための、計算コードの効率向上を図った。 ○格子振動解析、エネルギー輸送解析、モデリング:特定モード励起法を新たに開発した。これにより、従来は困難であったフォノンの寿命のモード・振動数依存性や平均自由行程の波長依存性などのパラメタをうまく抽出することが可能となった。
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Research Products
(4 results)