2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560207
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
長山 暁子 Kyushu Institute of Technology, 工学部, 准教授 (60370029)
|
Keywords | ナノ構造 / 固液界面 / 熱物性 / 濡れ性 / 界面層 |
Research Abstract |
近年の半導体製造技術をベースにした微細加工技術の進歩は、μmまたはnmオーダの流体機械や流体センサの製作を可能にし、それらの代表寸法は、固液界面の分子間相互作用の影響が現れる極めて小さいスケールに近づいている。このような小さな系では、重力の影響が無視でき、固液界面の分子間相互作用を表すパラメータである界面濡れ性が重要な役割を果たす。そのため、小型伝熱機器に対応するための高効率・高性能な伝熱面の研究開発において、界面効果を考慮した伝熱面の界面制御・設計が必要である。本研究では、ナノ構造を伝熱面に設けることによって、固液界面の濡れ性や流動・熱抵抗を制御し、機能性伝熱面創製への可能性を検討することを目的にしている。今年度は、メカニズム解明のための分子動力学解析を進めると同時に、ナノ構造面を持つマイクロチャンネルにおける単相流の強制対流熱伝達実験を行った。分子動力学解析においては、ナノチャンネルの内壁に高さ、幅とピッチの異なるナノ構造を配置し、非平衡条件下における固液界面の熱抵抗を調べた。ナノ構造の寸法が固体と液体分子のサイズと同じレベルになった場合、固液界面の熱抵抗を低減する効果が現れ、ナノ構造面における伝熱促進効果はおおよそ表面積の増加によるものであることが分かった。実験においては、ナノ構造に対する固液界面の濡れ性が変化するものの、代表寸法300μmのナノ構造化したマイクロチャンネルに対する単相流の強制対流熱伝達特性に及ぼす影響は確認できなかった。
|