2007 Fiscal Year Annual Research Report
NMRの周波数シフト量から固体高分子形燃料電池の発電電流分布を計測する手法の開発
Project/Area Number |
19560212
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小川 邦康 Keio University, 理工学部, 准教授 (50272703)
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Keywords | 燃料電池 / 核磁気共鳴 / 計測技術 / センサー |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池の発電電流量を向上させるには、電流が低下している領域を特定し、その原因を取り除く必要がある。本研究では、NMR計測と小型コイルを組み合わせた周波数シフト法を発電時の燃料電池の電流分布の計測に適用することを目的とする。多数の位置に小型コイルを配置し、周波数シフト量の空間分布を計測して、電流分布を求める。この際、局所電流分布を求めるためには、磁場分布から電流を逆問題として解く必要がある。本研究では、複数のNMRセンサーを切り替えて計測できるNMR計測システムの構築と、NMRの周波数シフト量分布から電流分布の逆問題を解析する手法の開発を行うことを目的とする。(1)「8CH-RFコイル切替スイッチ」の設計と製作複数の小型NMRセンサーを一つの送受信機によってNMR信号を取得するために、「8CH-RFコイル切替スイッチ」を用いて両者を接続する装置を開発した。この装置を用いて、複数のRFコイルを接続した燃料電池セルから、発電電流に対応した周波数シフト量を検出した。この取得データを元に、発電電流分布が一様であるかどうかの解析を下記の方法で行った。(2)電解質膜のモデル化電流が流れる部位を最小構成要素に分割し、電解質膜の表面と内部、ガス拡散層およびセパレータとを電気回路網によってモデル化した。このモデルを用いて、NMRの周波数シフト量と正比例の関係にある磁場分布を算出し、その磁場分布が形成されるような電流分布を逆問題として解析する方法の開発を行った。これより、燃料電池セルの発電電流分布が推測できることが分かった。
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