2008 Fiscal Year Annual Research Report
放射加熱による燃料液滴の蒸発・爆発の実験および数値解析
Project/Area Number |
19560213
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野村 浩司 Nihon University, 生産工学部, 教授 (30246847)
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Keywords | 燃焼 / 蒸発 / 放射エネルギー / 噴霧 / 微小重力 |
Research Abstract |
炭酸ガスレーザを放射加熱源とし,ヘプタン,デカン,ドデカン.エタノール、および水液滴の放射加熱蒸発および爆発を実験的に調べた.初期加熱期間後の液滴直径半減時間を液滴の放射加熱蒸発の速さを示す尺度として用いた.放射出力密度の高い条件では,ヘプタン,デカンおよびドデカン液滴に,初期液滴直径が大きい場合に爆発現象が観察された.放射加熱蒸発の数値シミュレーションを行うため,液滴の放射エネルギー吸収割合を実験的に見積もった.爆発した液滴は,爆発するまでの蒸発量が無視でき,爆発直前に沸点に達したと仮定して導いた,正規化された爆発誘導時間と放射出力密度の理論式と実験結果は,定性的に良く一致した.理論式と実験結果を一致させるように放射エネルギー吸収割合を求めた結果,ヘプタン液滴の場合は0.54,デカン液滴の場合は0.68,ドデカン液滴の場合は0.68であった.ヘプタン液滴の場合,爆発に至るまでに蒸発潜熱で奪われた熱エネルギーが無視できず,放射エネルギー吸収割合が小さく見積もられている可能性がある.初期液滴直径が0.6mm以上の液滴においては,放射エネルギーの吸収割合が初期液滴直径に依存せずにほぼ一定であることがわかった.放射加熱蒸発の数値シミュレーションにおいては,液滴直径が0.6mm以下まで計算をする必要があるため,吸収割合が直径に比例すると仮定して計算を行い,液滴直径履歴を求めた.この点については改善の余地があると考えている.実験においては,微小重力環境で放射加熱蒸発実験を行うための実験装置を完成させた.観察用窓ガラスでの放射エネルギー吸収が大きく,2.5sの微小重力時間で蒸発が完了するような実験はできなかった.この点も今後の課題である.放射加熱蒸発の参照データとして有用な,高温雰囲気液滴蒸発データをデカンおよびヘキサデカンについて,2.5sの微小重力実験で取得した.
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Research Products
(2 results)