2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形性の発現・操作によるナノ・マイクロマシーンの高性能・高機能化に関する研究
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19560225
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藪野 浩司 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (60241791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦田 極 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進プロセス研究部門, 研究員 (10356363)
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Keywords | 自励振動 / 非線形振動 / 原子間力顕微鏡 / 振幅制御 / マイクロカンチレバー / 生体試料 / 液中観察 / 振動利用 |
Research Abstract |
ナノ・マイクロマシーンの高性能および高機能化を目的とした新しい制御法の提案の一つとして、本年度は積分制御によるカンチレバーの自励発振とその振幅制御法に関する研究を行った。カンチレバーは原子間力顕微鏡(AFM)による原子表面計測や原子分子操作に利用される基本的な機械要素であり、そのダイナミクスを自由にコントロールできれば、それらの高機能・高性能化につながる。自励振動は、システムのパラメータ変動にともなう固有周波数の変化に関わらず、つねに発振振動数は固有周波数であり、非常に効率のよい発振方法として知られている。しかしながら、振幅は時間とともに増大するため、微小領域での対象物とカンチレバーとの接触を防ぐためには、振幅の制御が必要不可欠であった。 本研究では、先に提案したvan de Pol型の自励発振を適用して振幅制御を行う新たな方法を提案した。カンチレバーが微小であり、固有周波数が高いため、変位信号の微分操作は、高周波雑音の増加を伴うため事実上不可能である。そこで本研究では、積分器のみを利用した積分制御によるvan der Pol型の自励発振法を新たに提案し、その妥当性を理論的に示すとともに、実際のAFM装置に付属するマイクロカンチレバーに適応し、その有効性を実験的に検証した。 実験の結果、振幅10nm以下の定常自励発振ガ実現できることが確認された。さらにAFMとして、自励発振型カンチレバーを用いた際の発振周波数の試料表面とカンチレバーとの距離に対する依存性を測定し、液中での生体試料観察用にvan der Pol型カンチレバーを利用可能であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)