2009 Fiscal Year Annual Research Report
非線形性の発現・操作によるナノ・マイクロマシーンの高性能・高機能化に関する研究
Project/Area Number |
19560225
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藪野 浩司 Keio University, 理工学部, 教授 (60241791)
|
Keywords | 自励振動 / 非線形振動 / 原子間力顕微鏡 / 振幅制御 / マイクロカンチレバー / 生体試料 / 液中観察 / 振動利用 |
Research Abstract |
ナノ・マイクロマシーンの高性能および高機能化を目的とした新しい制御法の提案の一つとして、本年度は昨年度に引き続き積分制御によるカンチレバーの自励発振とその振幅制御法に関する研究を行い、さらに、高次モードでマイクロカンチレバーを自励発振させるための方法を理論的に提案した。 1nm以下の定常自励発振を実現するために、van der Pol oscillatorと同様に自励発振時にリミットサイクルが存在する、Reyleigh型の振動系の利用が可能か否かを解析した。その結果Reyleigh型はvan der Pol oscillatorに比べて、フィードバックゲインの変化に応じて多様な分岐現象を発生しうることを理論的に確認したが、低振幅定常自励発振を実現するうえでは、積分制御が可能なvan der Pol oscillatorの方が有利であることが明らかになった。 高次モードでの自励発振を可能にする方法として、強制加振による引き込み現象を使った方法を提案した。正帰還速度フィードバックでマイクロカンチレバーに自励発振をさせる場合、どのモードが発振するかは予想ができない。高次モードはモード減衰が大きいため多くの場合は1次モードで自励発振するが、より高次モード(より高周波数で)で自励発振させた方が周数特性に優れたAFMを作ることができる。そこで、2次モードの固有周波数で確実に発振させる手法として、引き込み現象を利用した方法を理論的に提案した。
|
Research Products
(2 results)