2007 Fiscal Year Annual Research Report
鉄道車輪/レール系騒音のアクティブ制御における車上設置型デバイスの高性能化
Project/Area Number |
19560226
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
遠藤 満 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (80016584)
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Keywords | 鉄道車輪 / レール系転動騒音 / アクティブ騒音制御 / 車上設置型デバイス / 波動吸収原理 / 境界要素法シミュレーション / ハウリング / クロストーク |
Research Abstract |
本研究では在来線鉄道騒音の中で大きな割合を占める車輪/レール系の転動音を対象とし、列車防音カバ一部に設置したセンサーマイクロフォン及び二次音源スピーカからなるデバイスでのアクディブ騒音制御により、レールから見通せる開放空間全域に渡っての騒音を低減することを目的とし、まず従来の課題であったデバイスのコンパクト化・ハウリングの抑制・デバイス複数基による分散制御性能向上の三つに着自して、新たに三種類のデバイス構成を提案し、それらの有効性を二次元境界要素法音響シミュレーション解析により検証した。その後三種類の各デバイス1基を用いた制御実験を行い、周波数分析及びオーバーオール値で評価してその基本特性を把握した。ついで実用化へ向けたデバイス複数基による騒音低減を実現するために、クロストークの影響を考慮した三次元BEM音響シミュレーション解析を行い、この解析結果と1基での実験結果さらにはコンパクト化の観点から、三種類の中で最良と思われる一種類のデバイス3基を用いた分散制御実験を実施して、デバイス構成法の高性能化について検討し、以下の結論を得た。(1)デバイス筐体部が0.4m以下となるコンパクト化を実現した。(2)新たなデバイス構成ではハウリングが防止され、実際の鉄道走行時の転動音レベルにより近い大音量での制御を可能とした。(3)新たなデバイス1基または3基における制御実験から、従来のデバイスと比較して大きな制御効果を得ることができたが、今後の課題としてクロストークの影響を軽減する必要があることが判明した。
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