2007 Fiscal Year Annual Research Report
時間遅れに起因する多角形化現象の振動特性の解析とその実験的検証
Project/Area Number |
19560234
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宗和 伸行 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (40304753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 孝広 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80136522)
松崎 健一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80264068)
盆子原 康博 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (10294886)
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Keywords | 機械力学・制御 / 自励振動 / 動吸振器 / 時間遅れ系 / 振動制御 |
Research Abstract |
回転機械の中には、回転体の表面が多角形状に変形し、それが成長する過程を経て大きな振動現象を引き起こす問題がしばしば発生している。研究代表者らは、この現象を時間遅れに起因する不安定自励振動とみなして研究を行ってきた。その際、厳密で効率的な新しい安定判別法を開発することで詳細な検討が可能となった。本研究では、この時間遅れに起因する多角形化現象を対象として、設計段階および実機稼働中のトラブル発生時における防止対策を理論・実験の両面から開発することを目標とする。その実現に向けて本年度は下記に示す研究項目を実施した。1.多自由度系を対象とした動吸振器を用いた防止対策の有効性を理論解析で確認した。その最適設計において遺伝的アルゴリズムを適用するとともに、解析の大部分を自動化することで設計の効率化を実現した。2.多自由度系における動吸振器の最適設計では、主系の固有振動数および固有モードに対応した動吸振器を個別に設計するモード毎設計法の有効性が確認された。本設計法では発生する不安定振動がどのモードに対応するのかを判別する方法として、減衰および時間遅れの影響を含む複素モードを利用することで、効果的な設計が可能となった。3.実験装置のロール部分を改造することで粘弾性変形に起因する不安定振動を発生させることが容易になり、精度の高い実験結果が得られるようになった。この結果より、動吸振器の制振効果の有効性を確認するとともに、静止時におけるハンマリングでは不可能であった回転中の粘弾性特性の同定が可能となった。4.項目3.における実験では、線形解析だけでは説明不可能な現象が観察された。この現象は、非線形性を考慮した数値シミュレーションによって説明が可能となり非線形解析の有用性が確認できた。 以上の研究成果により、動吸振器を用いた時間遅れに起因する不安定振動の防止対策が非常に有効であることが確認された。
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Research Products
(8 results)