2007 Fiscal Year Annual Research Report
純粋進行波生成のための能動インピーダンス整合制御に基づく水中推進機構の高効率化
Project/Area Number |
19560237
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
松村 雄一 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (20315922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 裕 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70275171)
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Keywords | 機械力学・制御 / 振動制御 / 制御機器 / バイオ流体力学 / 水中推進 / 進行波生成 / インピーダンス整合 / 進行波フィルタ |
Research Abstract |
本研究では,インピーダンス整合に基づいて有限長構造物における反射波の発生を抑制し,純粋な進行波だけを生成する技術を水中の振動板の制御に応用し,高効率な水中推進機構を実現することを目指している。具体的には,所望の水中推進機構を実現するにあたり,特に次の3つの技術を開発することを目標としている。 (1)時間変化する振動板の波動パラメータをリアルタイム同定する技術 (2)波動パラメータをフィードバックして反射波を生じさせないように能動制御する技術 (3)進行波を任意の方向に瞬時に切り替える技術。 今年度の成果としては,上記目標(1)を達成するため,波動パラメータをリアルタイム同定する際に必要となる進行波フィルタの開発に成功したことが挙げられる。2次元周波数空間におけるモード分解とモード群分解の手法を基礎として作成されるこのフィルタにより,アレイセンサ出力から,任意の進行波・後退波成分を時間領域でリアルタイムに抽出できる。その結果,単一の波にしか適用できないような,単純計算に基づく振幅や周期,位相の推定手法により,波動パラメータを抽出できる。当初,波動パラメータの同定法として開発を予定していたESPRIT手法では,固有値計算などで大量の演算が必要になるのに比べて,今回開発した手法では,計算量が格段に少なくなり,同定のリアルタイム性が高まる。これは,反射波の能動制御などに際して,制御系の応答性を向上させる面で有用であると考えられる。
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