Research Abstract |
平成20年度は,細管内を流体と共に物体が移動するとき,流量を一定と仮定した場合,細管内で後方から圧力を受けて物体が中心軸上を運動する際の,主に物体周囲の流体運動の特徴を明らかにした 最初に, Stokes近似を用いた際の管壁と物体の隙間における流速分布の解析解を導出した.しかし,物体近傍の流れに関しては,流体運動を支配するNavier-Stokes方程式において対流項が無視できないため, MAC法を用いた数値解析を行い,物体周囲の流れ場に関する詳細な考察を行った.それと同時に,力学的相似模型を製作し,現象の確認および物体後方における流体運動のPIV解析を行った.その際,現象を支配する無次元パラメータのうち,主にレイノルズ数Reおよび無次元物体直径dを変化させた.その結果,以下のような結論を得た. ・物体の終端速度は,管壁と物体の隙間の流速および管内流の平均流速よりも大きくなり,物体後方の流体が隙間を介して物体前方へ流れ込むことはない. ・管壁と物体の隙間の大きさδが管内径に比べて十分に小さい場合,物体の終端速度はδを用いて近似的に1+δと表すことが出来る. ・Reやdに依存ぜず,物体後方において物体から管内径の0.65倍程度離れた位置から,管軸方向流速が減少し,半径方向流速が発生する. ・物体後方において物体から管内径の0.25倍程度離れた位置では,x軸方向のNavier-Stokes方程式において,対流項と圧力項が釣り合い,物体の極近傍では,圧力項とxの2階微分の粘性項が釣り合う. さらに,連結移動物体(3両および4両連結)による走行実験を行い,フロンとドライブの効果,曲管部走行時におけるガイド弁の変形等を観察した。
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