2008 Fiscal Year Annual Research Report
分岐解析と最適化に基づく非線形制御系の解析的検証手法と車両運動制御系への応用
Project/Area Number |
19560242
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
堀内 伸一郎 Nihon University, 理工学部, 教授 (30181522)
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Keywords | 機械力学・制御 / 分岐解析 / 最悪入力 / 制御系評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は,非線形制御系にも適用可能な効率的かつ信頼性のある制御系机上検証方法を開発し,実際的な応用例からその有効性を示すことである.近年研究が進んでいる非線形システムに対する分岐解析手法を応用する点が本研究の特徴である.昨年度は車両の限界運動領域の非平衡状態における運動特性を分岐解析によって検討する手法を開発したが,本年度は制御系を含んだ車両運動制御系の性能保証にこの方法を適用し,その有効性を検討した. まず,車両運動制御系として四輪操舵と四輪トルク制御を併用した統合運動制御系を取り上げ,その設計手法として分岐適合制御(bifurcation Tailoring)の適用を試みた.この方法は,非線形領域において車両運動制御系の平衡状態が望ましい分岐線図に一致するようにフィードフォワードおよびフィードバック制御系を設計するもので,非線形制御系設計の有力な手法になると考えられる. 前輪操舵のみ,四輪操舵のみ,および統合制御の3つの制御系について,本研究で開発した非平衡状態における分岐解析手法を適用し,それらの効果について検討を行った.その結果,統合制御はタイヤカが飽和する限界状態においても安定性を維持することができ,四輪操舵と比較して格段の安定性向上効果があることが理論的に示された.また,平衡点まわりの安定領域の大きさによって3つの制御系を比較し,四輪操舵は前輪操舵のみの車両と比較して安定領域を拡大することができるものの,その効果は統合制御よりかなり限定的であることも示された. これらの成果は2008年10月に開催された国際学会で発表し,高い評価を得た.
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Research Products
(4 results)