2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560248
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小塚 晃透 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (60357001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 久一 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (30277842)
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Keywords | 超音波 / 音響放射圧 / 定在波 / 非接触 / マニピュレーション |
Research Abstract |
平成19年度に製作した音源(28kHz、振動振幅15ミクロン)を用いて定在波音場を生成し、各種パラメータを変化させた際の音場および音場中に投入した物体を捕捉する力の評価を行った。 まず、振動子に取り付けるホーン(直径20mm、25mm、30mmの3種類)を交換して、音源面積を変化させた。進行波音圧を測定したところ、面積の大きな音源の場合により高い音圧が発生していることが確認された。次に、音源を上に向け、その上方に凹面反射板(曲率半径77.85mm)を配置して定在波音場を生成した。音源と反射板の間の距離を変化させると、音圧の腹の位置の最大音圧が周期的に変化した。音源と反射板の距離が最適になる所で音圧が極大となり、音場が共鳴していると考えられる。 反射板の中央に直径2mmの穴を開け、音場中に上方より直径1mmの鉄球を投入したところ、鉄球は上端部に捕捉されるか、音場中を落下してしまい、途中で捕捉することができなかった。静かにピンセットで投入すれば途中の音圧の節に捕捉することはできるが、初速度を持って音場中に進入した物体の捕捉は困難であった。次に、同じく反射板の穴より注射針を挿入し、水滴を音場中に注入した。共鳴状態でなければ直径2〜3mm程度の液滴となるが、共鳴状態では上下から押し潰されるようにして水平面上に広がり霧化する様子が高速カメラで観察された。また、注射針から勢いよく噴射すると、6mm間隔で存在する音圧の節の各層で一瞬跳ね返されるが、次々と突き抜けていく様子が観察された。高音圧下でも定在波は形成されているが、物体を保持して操作する制御は難しいことがわかった。 空中超音波を扱う実験では超音波暴露が問題である。この実験装置周辺の音圧分布を測定したところ、定在波音場中では150dBを超える高音圧であったが、数メートル離れれば通常の騒音レベルまで低下することが確認された。
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Research Products
(6 results)