2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体信号情報の抽出とそれによる自動車制御への応用のための実証実験研究
Project/Area Number |
19560261
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
西本 哲也 Nihon University, 工学部, 准教授 (30424740)
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Keywords | 自動車制御 / 生体情報 / 筋電 / 心拍 / マイクロ波 / 年齢識別 / スマートシステム |
Research Abstract |
本研究では、自動車ドライバ自身が危険を感じたとき筋電や心拍情報により迅速に自動車を停止させるアクティブ制御と年齢に基づく衝撃耐性差に基づきエアバックのような保護装置をスマート化することを目的とした研究を実施した. 1)まず自動車ペダルと台上リジッドペダルを用いた踏み換え実験を実施し,下肢筋群の筋電図を計測すると,実車実験では踏み換え方やアクセルの踏み込み量により下肢筋電の発生に違いが現れた.アクセルを踏み込んだ踏み換え動作では,大腿部に位置する筋肉群の活動が顕著にみられた.しかし,踏み換え方,アクセル踏み込み量の違いがあるものの,下肢では前脛骨筋の反応が最も早く,アクセルペダルを離す前に前脛骨筋の反応が生じることが分かった. 2)次に心拍を非接触方式としてマイクロ波を用いたドップラモジュールによって収集し,基準となる接触方式としての心電図と比較した.ドップラモジュール出力波形から心拍波形を抽出して算出した平均心拍数は,心電図から算出した平均心拍数とほぼ同じ値となり,非接触でも精度よく心拍を測定する技術を構築できた.そして,呼吸性変動波形のゆらぎに着目したアルゴリズムを構築し,年齢層の識別を実行した.その結果,20歳代と50歳代以上の年齢層を比較すると,ゆらぎに基づく識別値は加齢により小さくなる傾向が顕著に現れ,これより心拍から年齢推定を実行できる見込みを得た. 以上のような本年度の研究成果は,前脛骨筋の筋電反応によりブレーキを作動させる新しい運転支援システムの開発と,マイクロ波ドップラモジュールによって年齢層識別をすることでエアバックやシートベルトの耐性別の最適作動を目指すスマートシステムの開発への応用が可能であり,将来の自動車制御に有用であると考えられた.
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Research Products
(6 results)