2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体信号情報の抽出とそれによる自動車制御への応用のための実証実験研究
Project/Area Number |
19560261
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
西本 哲也 Nihon University, 工学部, 准教授 (30424740)
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Keywords | 自動車制御 / 生体情報 / 年齢識別 / スマートシステム / ドライブレコーダ |
Research Abstract |
1.アクセル・ブレーキ踏み換え動作時の生体信号の測定実験 前年度までの不足データを補足するために,高齢者を被験者として危険状態を擬似してアクセル・ブレーキの踏み換え実験を実施した.その結果,素早いペダル踏み換え動作において,反射時間については若者と高齢者で違いはあまりなかったが,高齢者は若者に比べて踏み換え時間が遅く,個人差が大きい傾向がみられた.素早い踏み換えにおける下肢の筋活動では,若者,高齢者ともに前脛骨筋が最も素早く,大きな変化を示した.若者も高齢者も前脛骨筋の素早い筋電応答が生じることを利用すれば,人体特性に基づく新しいブレーキシステムの開発に寄与できると考えられた. 2.生信号の非接触測定と救急救命型ドライブレコーダへの応用 呼吸性変動波形のゆらぎに着目し,年齢層ごとに比較した結果,年齢が高くなるにしたがって呼吸性変動波形のゆらぎが小さくなることを見出した.過去の研究においても加齢に伴って心拍や呼吸性変動成分のゆらぎの大きさが減少すると報告されており,本研究の結果と一致した.しかしながらこれまでの加齢差とゆらぎを比較する研究では,接触式である心電図(電気信号)から得た心拍を用いており,本研究のように非接触式心拍収集(心拍による体表面の変位)によって得られた心拍のゆらぎと加齢を比較した研究は見当たらず,新規性がある.本研究の結果から体表面の変位から得た心拍からも加齢差を確認できることがわかり,自動車シートにマイクロ波ドップラモジュールを搭載し,心拍を収集することによって年齢識別ができると考えられた. さらにこの技術を救急救命型ドライブレコーダへ導入することを検討し,千葉県で10台のタクシー車両を用いてフィールド実験をおこなっている開発機への機能導入を試みた.現在は測定精度の検証を実施している段階である.
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Research Products
(5 results)