2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体信号情報の抽出とそれによる自動車制御への応用のための実証実験研究
Project/Area Number |
19560261
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
西本 哲也 日本大学, 工学部, 准教授 (30424740)
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Keywords | 自動車制御 / 生体情報 / 非接触収測定 / 心拍 / 呼吸 / 制動 / 筋電位 |
Research Abstract |
本年度は研究最終年度として,前年度まで実施したアクセル・ブレーキ踏み換え動作時の生体信号の測定実験結果に基づき,車両搭載の方法について解析した.前脛骨筋の微分筋電の検出時間が若者男性,男女中年層のすべての被験者の平均で0.16秒となり,ペダル踏み換え時に視覚情報を得てアクセルペダルから下肢を離す時間,すなわち反射時間が若者男性平均でさえ0.24秒であるので,アクセルペダルから下肢を離す前に検出できることを導いた.そして,前脛骨筋の微分量を「微分筋電」と定義し,これが加齢の影響を受けることなく,かつ検出むらもなく一定となる特徴があることが明らかになった.したがって,微分筋電を用いて急制動の意思を感知することができるようになれば,ブレーキを踏む前に制動を補助できるシステムへの発展が期待できた.特に加齢により生じる踏み換えの遅れやむらに対して効果の大きい制動システムが開発できるものと結論付けられた.次にこれまで実施してきた非接触式心拍収集(心拍による体表面の変位)の解析によって得られた心拍のゆらぎと加齢の関係に基づき,自動車シートにマイクロ波ドップラモジュールを搭載した車両システムを構築した.運転シート内のドップラモジュールは,体表面の微小な変化を検出して心拍と呼吸で示されるバイタルサインを計測できるようにし,救急救命型ドライブレコーダシステムを完成させた. 以上,本研究では自動車ドライバが危険と感じた意思やバイタルサインを生体信号として自動車搭載する次世代の自動車制御技術を確立できた.
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Research Products
(10 results)