2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560274
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 孝紀 Muroran Institute of Technology, 工学部, 准教授 (50235339)
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Keywords | 大気汚染防止・浄化 / 有害化学物質 / 電力工学 |
Research Abstract |
大気圧質量分析(APMS : Atmospheric Pressure Mass Spectrometry)システムを構築するとともに,APMSを用いてVOC分解時の大気圧コロナ放電を診断した。また,その他のプラズマ診断法も併用し,APMS診断の確認を行った。 (1) APMSの構築と動作確認 φ0.1mmのスキマーとオリフィスを取り付けた2段階差動排気システムを作製し, 大気圧下の気体分子を取り込んで質量分析(APMS)を可能とするステムを構築し, 動作を確認した。窒素と酸素を80 : 20で混合した模擬空気に微量のアセトンを混合したガスをAPMSで分析した結果, 模擬空気に含まれる数百ppm程度のアセトンを検出できることがわかった。 (2) APMSによるVOC分解特性の調査 放電チェンバに微量のアセトンを模擬空気に混合したガスを封入して大気圧コロナ放電を発生させ, 放電中で生成される種を測定した。その結果, H(m/z=1), H2(m/z=2), OH(m/z=17), H2O(m/z=18), CO(m/z=28), O2(m/z=32)およびCO2(m/z=44)の生成の可能性が示された。また, 同時に行った赤外吸収分光診断はCO, CO2, O3の生成が確認された。赤外吸収分光測定では分子振動で双極子モーメントが変化しない(赤外不活性)ものは測定できないが, APMSによりアセトンを大気圧コロナ放電で分解したときに, H2, O2が生成させる可能性が示唆された。 アルゴン・酸素中に微量のアセトンを混合したガスのコロナ放電分解実験も行い, 模擬空気中と同様の分解生成物の質量スペクトルが得られることを明らかにした。
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