2007 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導体の電磁界解析に関する高速数値解析技術の開発
Project/Area Number |
19560276
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
神谷 淳 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (00224668)
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Keywords | 酸化物超伝導体 / 混合状態 / 有限要素法 / 臨界電流密度 / 非接触測定法 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
最近,Mawatari等は高温超伝導体(HTS)フィルム/バルクの臨界電流密度を非接触で測定するための誘導法を開発した.同法では,HTS試料の直上に配置したコイルに交流電流を流しながら,コイルに誘起される高調波電圧が測定される.彼らの実験によれば,HTSフィルムではコイル電流が或る閾値を超えると,第3高調波電圧が検出されるのに対して,HTSバルクでは第3高調波電圧の平方根がコイル電流にほぼ比例する.さらに,彼らは臨界状態モデルに基づく理論計算を行うことによって,フィルムの臨界電流密度が閾値電流から計算できるのに対して,バルクの臨界電流密度はコイル電流-第3高調波電圧の曲線の傾きから評価できることを明らかにした. 本研究の目的はJ-E構成方程式にべき乗法則を仮定した場合に,Mawatari理論が適用できるか否かを数値的に検証することである.この目的を達成するため,本研究では,遮蔽電流密度の時間発展を解析するための数値コードを開発した.同コード内では,電流ベクトル・ポテンシャル法で定式化された支配方程式の初期値・境界値問題を有限要素法と後退Euler法を用いて解いている. 数値コードを用いて,HTSフィルムとHTSバルクに対して第3高調波電圧をコイル電流の関数として計算した.その結果,計算値はMawatari理論で得られる値と良く一致する.従って,Mawatari理論は臨界状態モデル以外のJ-E構成方程式にも適用できると結論できる.
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Research Products
(18 results)