2008 Fiscal Year Annual Research Report
電力線搬送通信による屋内配線でのEMC/EMI評価法に関する研究
Project/Area Number |
19560283
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
上 芳夫 The University of Electro-Communications, 共同研究センター, 客員教授 (90017434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肖 鳳超 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (60313409)
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Keywords | 電力線搬送通信 / 電磁妨害 / コモンモード / ディファレンシャルモード / 電信方程式 / モード分解法 |
Research Abstract |
屋内での電力供給を目的とする電力配線を用いる電力線搬送通信(PLC)方式は、新たな通信線路を構築しない経済的なメリットがあるが、短波帯周波数で使用するために電磁環境(EMC)問題が内在している。すなわち高周波信号成分による電磁界が漏えいし、他に妨害を与える電磁妨害(EMI)問題が懸念される。漏えい電磁界の発生要因は高周波電流成分であるが、PLCに使用される信号源方式は2本の線路に等量逆相の電流を供給するディファレンシャルモード(DM)信号を使用する方式であるが、DM信号が完全に平衡がとれた回路網系を流れる場合は漏えい電磁界は小さく無視できるレベルとなる。しかし屋内の電力配線には非平衡要素が多く、平衡回路網を形成していないためにDM以外の成分であるコモンモード(同相:CM)成分の電流が発生する。この成分はアンテナモードとも呼ばれ、漏えい電磁界に大きく関与する。したがってCM電流成分の評価・予測が重要なことになる。短波帯の周波数を使用するPLCは最近の手法であり、そのため電力配線での理論的な取扱い手法に関しては研究が不十分であり、CM電流評価の確立が急務である。この研究においてはモード分解法を用いて着目する端子でのモード回路網行列を提案し、この行列の主対角成分以外の要素がモード変換を表すことを示した。この行列表示を使用することによってCM電流成分は簡単に、システマティックに導出できることを示した。また線路系でのCM電流成分の表示法についてもこの手法を用いることによって評価できる。このようにCM電流成分が求められると、ベクトルポテンシャルが求められることになり、結果として漏えい電磁界が評価できることになる。
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Research Products
(3 results)