2008 Fiscal Year Annual Research Report
小型軽量ネオジム系永久磁石モータの省重希土類構造設計法の研究
Project/Area Number |
19560287
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂 卓 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (10324477)
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Keywords | 希土類系永久磁石形同期モータ / 省重希土類構造設計 / 磁場-熱連成解析 / 非線形簡易磁場解析 / 簡易熱伝導解析 |
Research Abstract |
ハイブリッド車用トラクションモータなど高出力密度化が要求される用途で,必要性能を維持したまま,希土類磁石使用量を出来る限り少なく,あるいは高剛熱性のためのジスプロシウムやテルビウムなど添加剤を必要としない永久磁石同期モータの省重希土構造設計法の確立を目指し,本研究ではその要素技術の1つである損失-熱連成解析の確立を目的とした。損失-熱解析によるモータ構造設計にあたり,具体的には,設計リードタイムの短縮の観点から,鉄損評価に要する磁場損失解析をモータ磁気回網に基づく非線形簡易磁場解析を,熱分布評価に熱伝導回路網による熱伝導解析の研究を実施した。H21年度の取り組みとして,試作試験機による提案解析手法の磁石部温度上昇評価精度の検証を念頭に,H19年度成果とは異なるエアコン用途向けの希土類系永久磁石同期モータを対象に,熱伝導解析精度について検討した。その成果として,熱伝導回路網の最重要パラメータであるモータ各部の熱抵抗の理論的導出法に基づいた簡易熱伝導解析により,3次元有限要素磁場解析(3D-FEA)による熱伝導解析と同等の磁石部温度上昇評価精度が得られることを確認し,解析時間が数百分の一に短縮可能となることを確認した。ここでの損失解析として提案した非線形磁場解析による算出方法の明確化がH19年度からの課題であったが,諸種の改善策を検討したものの鉄損や磁石部渦電流解析の精度が改善できず,3D-FEAで代替した。磁石部温度上昇評価の妥当性を検証するため,試験機を試作し,実験により提案解析手法の有用性を定性的に検証し,提案手法が温度上昇を考慮した永久磁石同期モータの省重希土構造設計ツールとして有用であることを確認した。
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