2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560290
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 修 Kyoto University, 工学研究科, 講師 (70093333)
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Keywords | 帯電 / フラッシオーバ / シールドリング / 絶縁円筒 / 真空 |
Research Abstract |
真空中で高電圧ないし高電界を用いる電力用の真空遮断器、高エネルギー物理学ならびに医療・医学の分野における荷電粒子加速器やX線管などにおいて、真空部分に形成される真空ギャップと、必然的にそれと並列に形成される絶縁物表面の沿面ギャップとでは、沿面ギャップの絶縁耐力が著しく低いため、沿面絶縁設計の確立が求められている。 真空中では絶縁物の表面が正に帯電し、陰極電界を強めることによって沿面放電電圧が低くなる。真空高電圧機器では真空遮断器の真空ボトルや粒子加速器の加速管のように絶縁支持物が真空容器を兼ねる場合が多くあり、その場合には従来から陰極接合部の電界を緩和するためのシールドリングを付設することが多い。平成19年度には、機器を模擬した高分子製およびガラス製の円筒型絶縁物試料を用い、主としてシールドリングがない状態の帯電基礎特性を陰極電界測定、帯電分布測定およびシミュレーション解析によって明らかにした。平成20年度は当初予定の通り、シールドリングによる帯電抑制効果に焦点を絞って実験的研究を行った。すなわち、本研究では陰極3重点の近傍に設けた電界観測用プローブによるリアルタイム観測と、表面電位計測用プローブによる帯電分布の観測とによりシールドリングの帯電抑制効果を検証した。また、シールドリングを考慮した帯電のシミュレーションを行って、測定結果と比較検討した。その結果、陰極上にシールドリングを配置すると絶縁物、陰極、真空がなす3重点の電界を緩和し、帯電の元となる電界放出電子の供給を抑制するとともに、絶縁物表面の帯電部領域を3重点から遠ざける効果を持つことが明らかになった。これらにより、効果的なシールドリングの配置と形状に関する絶縁設計の指針を得た。
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Research Products
(3 results)