2008 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタル制御スイッチング電源システムにおける低ノイズ化技術に関する研究
Project/Area Number |
19560291
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
庄山 正仁 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (40187513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 征哉 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (40423488)
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Keywords | ランダムスイッチング / ノイズ低減 / ディジタル制御 |
Research Abstract |
電子機器用電源として広く使われているスイッチングレギュレータは、半導体スイッチを高速にスイッチングさせることで電力変換を行っており、小形・軽量・高効率という特徴を持っている。しかし、高速なスイッチング動作はノイズを発生させるためDC-DCコンバータにおいて大きな問題となっている。この問題に対する制御方式による対策として、ランダムスイッチングという手法が提案されており、これまで、アナログ制御方式によるランダムスイッチングが検討されてきた。 本研究の1年目では、世界で初めて、FPGAによるディジタル制御方式によるランダムスイッチングを提案・実現し、スイッチング電源の低ノイズ化に有効であることを示した。この度,2年目(最終年度)の知見として、次の成果が得られた。 繰り返し周期が著しく長いことを特徴とする、疑似ランダム系列発生器を提案し、FPGAによるディジタル制御に用いた。スイッチング時にランダム化するパラメタとして、スイッチング周期、時比率、遅れ時間の3つの要素があり、どの組み合わせを採用するかで、全部で8(=2の3乗)通りの方式がある。その内1つはランダムスイッチングしない基本形なので、ランダムスイッチングの方式としては全部で7通りある。このうちの4つは既にアナログ制御で提案されている方式であるが、残りの3つは、今回、本研究で見出された新しい方式である。ノイズの低減効果を調べたところ、この新しい方式のうちのRRRMと名付けた方式が、最もノイズ低減に効果があることが分かった。時比率をランダムに制御する手法は、出力電圧にリプルを発生させる恐れがあるので、注意を要することが分かった。また、出力電圧を安定化するため、帰還を施すと、ノイズ低減効果が若干損なわれることが分かった。最後に、FPGAのクロックスピードが速いほうが、ノイズ低減効果が大きいことが分かった。
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Research Products
(9 results)