2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁界解析を用いたインバータ用リアクトルの小形・低損失化に関する研究
Project/Area Number |
19560294
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
村松 和弘 Saga University, 理工学部, 教授 (30263627)
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Keywords | リアクトル / インバータ電源 / 磁界解析 / 積層鉄芯 / 高調波 / 鉄損 / 異常渦電流損 |
Research Abstract |
本研究では,インバータ用リアクトルの小形・氏員失化を目とし,「鋼板中の渦電流を考慮した積層鉄芯のモデリング手法」を用いて,電流に含まれる高調波成分が磁束分布や損失分布に及ぼす影響を明らかにするとともに,損失を低減するための鉄芯形状などの最適形状の検討を行う.本年度の成果は以下の通りである. 1.鋼板中の渦電流を考慮した積層鉄芯のモデリング手法の有用性の検討 単相リアクトルにおいて,従来法である鋼板中の渦電流および層間ギャップを無視した解析と本研究で開発した方法によって得られた磁束分布や損失分布を比較し,鉄芯の積層構造を考慮した提案法によって明らかとなった磁束が鉄芯表面に偏り損失が大きくなる現象が従来法では確認できず,本研究で開発した方法の有用性が明らかになった. 2.三相リアクトルを用いた検証実験 現行製品と鉄芯形状を改良した2種類の実器の三相リアクトルを実際のインバータ電源に接続した場合の損失を実測し,改良型の損失は現行型の約半分に低減できることが確認できた.また,実測と解析結果を比較し,理想正弦波駆動の場合には実測と解析結果はよく一致するが,インバータ駆動の場合には,実測の損失は解析結果に比べて約2倍になることがわかった. 3.異常渦電流損のモデリング手法の開発 上記実測と解析結果の差は,解析において異常渦電流損が考慮されていないためであると考え,このモデリング手法を開発し,異常渦電流損を考慮することにより,磁束分布が均一となる改良型の損失は実測と解析結果で一致させることができた.しかしながら,磁束分布が不均一である従来型では未だ一致しておらず,今後の検討課題である.
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