2008 Fiscal Year Annual Research Report
沿面放電を利用した面発光デバイスの高発光輝度および高効率化
Project/Area Number |
19560298
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
上野 秀樹 University of Hyogo, 大学院・工学研究科, 准教授 (90301431)
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Keywords | 沿面放電 / コロナ / 背後電極 / 面発光 / ディスプレイ / 希ガス |
Research Abstract |
前年度に引き続いて,電気的計測および光学的計測の検討により,実験的に固体誘電体沿面における荷電粒子の振る舞い,固体誘電体との相互作用の実像に迫ることによって,より強い発光が得られる条件について検討を進めた。また,面状沿面放電デバイスとしての高輝度を実現するための具体的方策についても下記の2つについて検討した。 第一の手法である放電空間の制限による封じ込め効果と紫外光増強については,沿面放電の発生・進展が生じる放電空間が制限された沿面放電において,沿面放電による紫外線が制限された空間に封じ込められ,空間を制限する固体誘電体との相互作用によって沿面放電が助長される可能性がある。 この検討として,従来の沿面放電が伸展する誘電体板に加えて,対向する様に誘電体板を配置し,これら2枚の誘電体間の間隔を変えることにより放電可能な空間を制限した。Ne/Xe混合ガス中での放電開始電圧,沿面放電の様子と発光等について検討を進めた。その結果,まず放電開始電圧のXeの混合比依存性において,放電可能な空間を制限した場合, Xe混合率1.5%付近で放電開始電圧が極小となる現象が観測された。また誘電体間隔を狭くするほど顕著に観測されることも明らかとなった。 この現象はNe/Xe混合ガス系におけるペニング効果との関連が推測される。さらに,空間を制限していない場合,その放電は弱いグロー的な発光であるのに対して,放電可能な空間を制限するにしたがって,比較的強いストリーマー状の放電発光に変化することも観測された。このことから,放電可能な空間を制限することにより,より強い発光が実現可能であることが示唆された。さらに,第二の方法として,紫外光による蛍光体励起とそれによる可視発光についても,発生する紫外線から可視光を得る代表的手法であり,沿面放電を利用した蛍光体励起についても検討した。
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Research Products
(5 results)