2008 Fiscal Year Annual Research Report
液晶バックライトの発光効率向上と低電圧化の基礎研究
Project/Area Number |
19560303
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒井 俊彦 Kanagawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (60130796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 みき 神奈川工科大学, 工学部, 講師 (70195949)
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Keywords | 光源技術 / ディスプレイ / 液晶バックライト / ダイヤモンド電極 / 冷陰極 / MgO薄膜 / 放電開始電圧 / 二次電子放出係数 |
Research Abstract |
本研究は液晶バックライト用無水銀蛍光ランプの高輝度化に向けて、耐スパッタ性電極の高電子放出化と真空紫外発光の高效率化を資的としている。特にダイヤモンド膜とMg0膜を用いた複合電極の可能性と真空紫外発光について検討することが主たる目標である。平成20年度はMg0薄膜電極の二次電子放出係数γ値と基板温度及びMg0膜厚との関係を検討した。またダイヤモンド電極の二次電子放出に与える電極表面の粗さの影響について検討した。Mg0薄膜の作製にはRFマグネトロンスパッタリング装置を用いた。ターゲットにはMg0焼結体、基板には石英ガラス板を使用した。成膜条件はRF100W、ガス圧力0.5Pa、ガス流量5sccm一定とした。スパッタリングに用いたガスはAr/20%0_2混合ガスを使用した。電極用サンプルの膜厚は500nmとした。放電開始電圧はVQジサジュー図形法を用いて測定した。Neガス放電中で基板温度を200℃から700℃まで変化させて作製したMg0薄膜電極と基板温度を一定とし、Mg0膜厚を10nmから500nmまで変化させて作製したMg0薄膜電極について放電開始電圧とpd(ガス圧力×電極間距離)値との関係(パッシェン曲線)を測定した。この放電開始電圧を用いてタウンゼントの火花条件式により.二次電子放出係数(γ値)を決定した。この結果、γ値は基板温度500℃で成膜した電極で最大を示し、またMg0膜厚が約20nmで最も高い値が得られることがわかった。γ値の増加は、基板温度変化の場合では結晶性の変化によりMg0薄膜の仕事関数が低下したと考えられる。複合電極の下地としてCVDダイヤモンドの電極について、表面研磨面のものと酸素プラズマで粗さを形成した面のものを用いた。ダイヤモンドの酸素プラズマで形成した面電極でのγ値は表面研磨面のものより2倍増加することがわかった。 以上の結果からダイヤモンドとMg0薄膜からなる複合電極の製作でダイヤモンド表面上にMg0薄膜を堆積するための最適条件を確率することができ、下地に粗さを形成したダイヤモンドを用いた方がよいことがわかった。
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Research Products
(8 results)