2008 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性体/半導体ヘテロ構造におけるスピン依存伝導の研究
Project/Area Number |
19560307
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
植村 哲也 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20344476)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / スピン注入 / 強磁性体 / 半導体 / Co系ホイスラー合金 / GaAs / スピンLED / トンネリング異方性磁気抵抗 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1)スピン偏極率の高いハーフメタル材料を用い、半導体中への高効率なスピン注入を実現すること、および、2)スピン注入した電子の半導体中におけるスピン依存伝導特性を明らかにすることである。今年度は、(1)スピン注入源として、Co系ホイスラー合金薄膜とMgOトンネル障壁層、もしくは、ホイスラー合金とGaAsのショットキー障壁層からなるトンネル注入をそれぞれ検討し、それらの良質な単結晶薄膜を化合物半導体のGaAs上にエピタキシャル成長させる技術を開拓するとともに、(2)スピン注入効率を光学的に評価するためのスピンLED構造、および、電気的に評価するための強磁性体/半導体(GaAs)/強磁性体横型接合構造を有した磁気抵抗素子をそれぞれ作製した。その結果、ホイスラー合金のCo_2MnsiとMgOトンネル障壁を有するスピンLED構造において、室温において明瞭なエレクトロルミネッセンスを観測するとともに、スピン注入を示唆する発光の偏向特性を確認した。また、ショットキー障壁を有する磁気抵抗素子において、スピン偏極電子のトンネル注入によるトンネリング異方性磁気抵抗(TAMR)効果を新たに見出した。さらに、TAMR効果の強磁性電極材料依存性、バイアス電圧依存性、測定温度依存性を評価し、半導体中におけるスピン. 依存伝導特性を明らかにした。以上の成果は、将来の新しいスピン機能デバイスの創出にむけた基盤技術として有用である。
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Research Products
(42 results)