2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属サンドイッチナノ構造制御有機薄膜の表面プラズモン励起とデバイス応用
Project/Area Number |
19560311
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 景三 Niigata University, 自然科学系, 教授 (00194811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 双男 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20016695)
新保 一成 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80272855)
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Keywords | 表面プラズモン / 全反射減衰法 / 放射光 / クレッチマン配置 / オットー配置 / 有機薄膜 / 色素分子 |
Research Abstract |
本研究では,有機薄膜における表面プラズモン(SP)励起について検討し,デバイス応用に結びつけるための基礎的な研究を行った。すなわち,色素分子を使用して様々なナノ構造制御した有機薄膜を作製し,色素分子発光によるSP励起とそのSP励起による放射光特性について検討した。 まず,全反射減衰(ATR)法のクレッチマン配置とオットー配置を併せ持つプリズム/Ag/MgF_2/Ag構造の金属サンドイッチ素子を作製し検討した。このATR特性において, Ag/空気界面でのSP励起,及びAg/MgF_2とMgF_2/Agの両界面でのSP励起による二つの共鳴吸収が観測された。そして,これらの共鳴角度に対応した放射角度に放射光のピークが観測され,観測された放射光はSP励起によることが確認された。次に,この素子にMEH-PPV色素分子薄膜層を挿入したプリズム/Ag/MgF_2/MEH-PPV/MgF_2/Ag構造の素子について検討し,色素分子発光により二つのAg薄膜界面でのSP励起が可能で,そのSP放射光特性は色素分子の位置に依存することを明らかにした。さらに,プリズム/MgF_2/Ag/MEH-PPV構造の素子についても検討した。このATR特性において, MgF_2/Ag及びAg/MEH-PPV界面でのSP励起による二つの共鳴吸収が観測され, Ag薄膜の膜厚によりSP励起や放射光特性が異なることがわかった。また, Ag薄膜の両表面間でのエネルギー移動することによると考えられるSP放射光も観測された。さらに,蛍光色素含有ポリスチレン微小球分散薄膜素子のSP励起とSP放射光特性について調べ,センサ応用が可能であることを示した。また,ポリチオフェンの電気化学的なドーピング-脱ドーピングに伴うSP励起とSP放射光について調べ, SP放射光の制御が可能であることを明らかにし,デバイス応用に有望であることを示した。
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Research Products
(10 results)