2008 Fiscal Year Annual Research Report
複合導電性高分子ネットワーク素子のメモリー効果と書き込み方法に関する研究
Project/Area Number |
19560315
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
藤井 雅治 Ehime University, 理工学研究科, 教授 (00127911)
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Keywords | 導電性高分子 / ネットワート / メモリ / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
2つの複合導電性高分子ネットワークについて書き込み回数について検討した。1つはニューロン型導電性高分子で作成したネットワークであり、もう1っは複合導電性高分子フィルムを用いてネットワークを作成したものである。ニューロン型導電性高分子は、サイト数が3と5のものでネットワーク上に書き込み信号を流し各パス部の重み(導電率)がそれに応じて変化することを確かめた。複合導電性高分子フィルムに関しては、更に6サイトのもので書き込みとリセットについて調べ、同様な結果が得られた。これらの実験では化学的な手法でドーパントの制御を行ったが、部分的に訂正信号を流すという操作は、難しいことが分かった。化学的方法は導電性高分子のゲルの性質を利用しているのだが、側鎖のない導電性高分子を用いる方が書き込みの繰り返しに対して安定であることが分かったが。 訂正に関しては第3電極を用いて電気的に行う方法が現在のところ確実であることが分かった。そこで複合導電性高分子フィルムネットワークに対して第3電極を用いて、実際にOR回路として機能するかどうか調べた。このとき導電性高分子フィルムでは更に異種の導電性高分子を接続させて電気的に非線形特性を持たせた。この非線形特性を導入することにより、あるしきい値以上でOR回路として働くことが確認できた。さらにAND回路についてもその動作を確認した。 これらから複合導電性高分子ネットワーク素子が開発可能であることが分かった。 この研究の応用として実際のニューロンに似せた導電性高分子ネットワークによるニューラルネットワーク素子作成がある。ただし実現に向けては、ニューラルネットワークのどの方法がこの素子に適するか。あるいは書き込みと取り消し信号をどのようにするかといった問題が残る。
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