2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス上におけるSiGe結晶の高歪み化・方立制御とトランジスタの高速・高信頼化
Project/Area Number |
19560316
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐道 泰造 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (20274491)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 集積回路 / ディスプレイ / シリコンゲルマニウム / 薄膜トランジスタ |
Research Abstract |
本研究では、ガラス上における薄膜トランジスタの高速・高信頼性化を目的として研究を推進する。本年度は第1年度として、非晶質SiGe膜の所定の位置に方位の揃った結晶核を形成すると共に、結晶成長時に歪みを導入する手法の検討を行った。 ガラス上に非晶質SiGe薄膜(Ge濃度:0〜100%、膜厚:10〜50nm)を堆積した後、角錐状のSi結晶を押当て、局所的に応力を印加した。その後、熱処理(250〜450℃)を行い、固相結晶成長を誘起した。その結果、低Ge濃度試料(Ge濃度≦20%)では、(111)方位に優先的に揃った大粒径(〜5μm)のSiGe結晶が形成できる事が明らかとなった。これは、局所応力によりSiGe表面、及びSiGe/ガラス界面における結晶核発生が促進されるが、自由エネルギーの面方位依存性により、形成核の結晶方位が(111)方位に揃った結果と考えられる。但し、Ge濃度の増加に伴い、形成層の配向性が劣化するとの課題も明らかになった。更に、ラマン散乱分光測定の結果、TOフォノンピークの位置が、無歪みSiGeに比べ、低波数側にシフトする事が明らかとなった。これは、非晶質相から結晶相への転移に伴う体積変化により、結晶成長時に歪み(約1%)が導入される事に起因する可能性が高い事を明らかにした。
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