2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス上におけるSiGe結晶の高歪み化・方位制御とトランジスタの高速・高信頼化
Project/Area Number |
19560316
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐道 泰造 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (20274491)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 集積回路 / ディスプレイ / シリコンゲルマニウム / 薄膜トランジスタ |
Research Abstract |
本研究では、ガラス上における薄膜トランジスタの高速・高信頼性化を目的として研究を推進する。本年度は第最終年度として、ガラス上におけるSiGe結晶の高品位形成を検討すると共に、デバイス試作を行った。 ガラス上に堆積した非晶質SiGe薄膜(Ge濃度:0〜100%、膜厚:10〜50nm)に、角錐状のSi結晶を押当て、局所的に応力を印加した後、熱処理を行うと、Ge濃度が低い(≦20%)場合は、(111)方位に優失的に揃った大粒径(〜5μm)の単結晶SiGeが形成された。但し、Ge濃度の上昇につれ乱成長領域は多結晶化/微結晶化する課題があることが判明した。この現象を、Ge濃度上昇に伴い、圧痕形成に要する臨界圧力が低下する事、自然核発生が促進される事に起因するとのモデル化を行い、圧痕サイズを狭小化すると共に成長温度の低温化を行い、多結晶化/微結晶化が大幅に抑制できる事を明らかにした。これにより、Ge濃度30%の試料においても単結晶SiGe領域の形成が実現し、高伸張歪みを有するSi結晶の成長が可能となった。 更に、ソース/ドレイン電極をシリサイドとした新しい高速トランジスタ構造の設計を行うと共に、熱処理プロセスの工夫を行い、従来法では10V程度であったトランジスタ閾値のばらつきを、低減(ぱらつき1V程度)し、高い信頼性を有するトランジスタ動作が実現した。
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