2007 Fiscal Year Annual Research Report
質量分析法を用いた、フェロイック材料薄膜の高精度組成制御
Project/Area Number |
19560323
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
作道 訓之 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (20267719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 善次郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60148145)
岸 陽一 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (70265370)
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Keywords | 質量分析 / フェロイック材料 / 組成制御 / スパッタリング / 形状記憶合金 |
Research Abstract |
1.高精度組成制御機構を設置した多元スパッタリング装置の製作とプラズマ診断 既存の多元スパッタリング装置に,四重極質量分析計と計測用プラズマ生成のためのRF電極を設置し,TiおよびNiそれぞれのスパッタ粒子とイオンを計測できることを確認した.これらを同時にスパッタした場合,S/N比が悪くイオン化率を正確に計測できないことが明らかになった.この問題に対しては計測条件および装置構成の改善によって対応可能であると考えている.これと並行して,スパッタリング成膜や真空蒸着成膜でよく用いられる膜厚モニターを利用した組成制御方法を検討した.その結果,TiとNiの成膜速度を理論計算から算出されるある比率にすることによって1原子%以下で組成を制御できる手法を実現した.これによって成膜速度を高精度に計測することで本研究の目標を達成できることを明確にできた.ダブルプローブを用いたプラズマ診断は,プローブ導入機構の設計・製作が完了している. 2.多元スパッタ成膜装置による形状記憶合金薄膜の作製と評価 1原子%以下で組成制御されたTiNi系合金薄膜のX線回折および配向性評価を行った.X線回折評価の結果,薄膜を結晶化させるためには基板温度を500℃以上にする必要があることが明らかになった.結晶化した薄膜の配向性を評価したところ配向は見られなかった.これらの結果は文献値と一致する結果であり,現段階では本装置で作製するTiNi系合金薄膜に特徴的な点は見られていない.作製したTiNi系合金薄膜の形状記憶特性の動作を確認できたので,今後はDSCを用いて形状回復温度の制御特性の評価を行い,本技術の優位性を確認する.
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Research Products
(21 results)