2009 Fiscal Year Annual Research Report
質量分析法を用いた、フェロイック材料薄膜の高精度組成制御
Project/Area Number |
19560323
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
作道 訓之 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 教授 (20267719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 善次郎 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60148145)
岸 陽一 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (70265370)
池永 訓昭 ものづくり研究所, 研究員 (30512371)
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Keywords | プラズマ加工 / スパッタリング / 構造・機能材料 / マイクロ・ナノデバイス / 形状記憶合金 |
Research Abstract |
TiNi薄膜形成の場合には400℃以下で結晶化できたプロセス条件でPZT薄膜を形成したが、PbおよびOの欠損が多く、強誘電体薄膜としての機能発現に至らなかった。高精度組成制御機構をPZT成膜プロセスに応用するには、結晶化したPZT薄膜を低温で合成する必要があることを明らかにした。TiNi合金薄膜形成プロセスを利用して、高精度組成制御の制御可能な範囲について検討を行った。四重極質量分析計を用いて、堆積するスパッタ粒子数を直接計測することで高精度な組成制御をすることを提案し、その可能性を検討した。昨年度、膜厚モニターを使って組成制御を行った場合は0.1原子%で組成制御が可能であったが、今回のように長時間の成膜をする場合には、成膜中に膜厚モニターが経時劣化するため精密な組成制御が困難であることが分かった。一方、四重極質量分析計を用いると0.1原子%の精度で組成制御が可能であるうえに長時間にわたる成膜の組成制御も可能であることを確認できた。また、今回の実験結果をもとに四重極質量分析計での測定値から即座に組成比を計算できるデータベースの構築を行った。 作製したTiNi合金薄膜の形状記憶効果を評価するために、昨年度までは加熱源として平面熱源を使用していた。しかし、カンチレバーが形状記憶効果による変形で熱源から離れるとカンチレバー上の場所による温度のばらつきが大きくなってしまい、形状記憶効果の定量的な評価を行ううえで問題があることが明らかになった。そこで、カンチレバー本体に通電加熱することでその問題点の解決を試みたところ、平面熱源で評価した場合と比べて温度-変位曲線において変態温度の存在がより明確であることを確認し、有用な評価方法を開発することができたと考える。
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