2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁場分解能改善を目的としたSQUIDプローブ磁気顕微鏡ヘッドの開発
Project/Area Number |
19560326
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
林 忠之 Sendai National College of Technology, 電子制御工学科, 准教授 (80310978)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / 超伝導材料 / 超伝導素子 / 電子デバイス / 電子機器 / 磁気顕微鏡 / SQUID |
Research Abstract |
最近のナノファブリケーション技術の向上による、ミクロな磁気試料の計測技術の構築を目的として、SQUIDの超高感度性を十分に活用した走査型SQUID磁気顕微鏡において、その空間分解能を左右する磁場分解能の向上を図るSQUIDヘッドの開発を行った。 SQUIDを真空冷却し、室温・大気下の高透磁率プローブをSQUIDに近接させて、プローブ先端の磁場を局所的に集束し、SQUIDに伝達することで室温・大気サンプルの磁場分布の測定を実現できた。磁場分解能向上のアプローチとして、SQUIDとプローブとの結合効率を向上させる新たなSQUIDヘッドの開発と、プローブ先端と磁気試料との距離を原子レベルまで近接して距離による磁場の減衰を抑制する走査手法を開発した。 SQUID顕微鏡ヘッドにおいて、液体窒素導入後にステンレス製の液体窒素容器が冷却によって縮み、プローブとSQUIDとの距離が広がるために磁束の結合効率が大きく劣化していた問題を解決するために、冷却ロッドと外筒とを固定子によって強固に接続したヘッドを開発し、ヘッドの温度によらずにSQUIDとプローブとの間隙を一定に保つことが可能となり、かつSQUIDを動作温度に保って検出磁場分解能の劣化要因を排除することに成功した。 プローブ先端と磁気試料との距離を原子レベルまで近接させるために、プローブ先端と磁気試料との間に流れるトンネル電流をモニタしながら走査する新たなSQUID顕微鏡の走査機構の開発に成功した。
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