2008 Fiscal Year Annual Research Report
炭化ケイ素半導体の酸化膜界面欠陥構造への計算科学的解析に関する研究
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19560329
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
宮下 敦巳 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (00354944)
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Keywords | 炭化珪素半導体 / 界面物理 / 第一原理計算 / 分子動力学 / 欠陥構造 |
Research Abstract |
本研究は、超大型計算機を用いる事で炭化ケイ素半導体素子の酸化膜界面に含まれる欠陥構造を大規模第一原理計算によってシミュレーションし、得られた界面欠陥構造が素子の電気的特性に与える影響を調べることで、より良好な素子特性を発揮するデバイス開発に資する事を目的としている。今年度の研究成果としては主に以下の2項目が挙げられる。 1.界面モデル生成時の冷却速度条件検証 加熱・急冷計算機シミュレーションにて生成した大規模モデルの構造安定性を検証するために、室温に冷却後の界面構造について温度を室温に保持したまま構造変化を観察した。-2000K/psで冷却した界面構造は全エネルギー、Si-Si間原子距離、平均密度のすべてで室温放置後も大きな変化があり、冷却速度が速すぎるために構造が安定状態に達していない事が確認された。-1000K/ps、-500K/psで冷却した界面構造は、エネルギー的にはすでに安定状態になっており、Si-Si間原子距離、平均密度においてもほぼ収束しており、シリカでの測定値におおよそ適合していた。よって、第一原理シミュレーションでの界面構造生成において、冷却速度を-1000K/ps以下にする必要がある事が確かめられた。 2.生成された界面構造モデルでの界面接続構造解析 室温にまで冷却された界面構造モデルについて、界面における欠陥に注目して詳細検討した。界面には数種類の接続構造が確認された。無欠陥構造としては、3つの界面Siをまとめるtype-α、2つの界面Siをまとめるtype-β、1つのSiのみに付くtype-γが出来ていた。欠陥を含む構造としては、Si-Si結合を持つ2種の界面構造体の他、Siダングリングボンドが観察された。
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Research Products
(9 results)