2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波のエバセント波を利用した微細加工技術に関する研究
Project/Area Number |
19560332
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
三枝 幹雄 Ibaraki University, 工学部, 教授 (10292476)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 剛 筑波大学, 数理物質科学研究科, 教授 (80354637)
|
Keywords | 導波管 / エバネセント波 / 深さ方向制御 / 微細加工技術 / 高周波 / 共振器 / ハンダ溶融 / 高次モード |
Research Abstract |
本研究では導波管内の遮断周波数以下の電磁波で発生するエバネセント波を用いて、深さ方向制御が可能な微細加熱技術の開発を目指している。加熱資料の溶融に必要な高周波磁界強度は直径0.5mmの無鉛ハンダで330[A/m]程度以上であるが、この磁界強度を得るためには高価な大電力の高周波増幅器か電力を蓄積させる高周波共振器が必要となる。研究1年目はエバネセント波を用いた加熱技術の原理の実証を目的として、まず高周波共振器の設計製作、高周波特性を評価する為の低電力実験を行った。その際、高周波共振器の共振周波数測定のみならず、プローブによる電磁界分布測定、共振のQ値の評価を行い、ハンダを融かす為に必要な高周波磁界の4倍以上にあたる1500[A/m]の磁界強度が期待できる事が判った。次に負荷変動に応じて共振条件を調整可能なダブルスラグチューナー、マイクロ波を増幅させる2.3-2.35GHz帯の180Wアンプを購入し、高周波加熱実験を行った結果、高周波共振器を用いて低電力の高周波で強磁界を作り出す事に成功し、非接触でのハンダ溶融を実現した。また高周波共振器本体に設置する整合器の提案を行いその高周波特性を評価する為に低電力試験を行った。これらの結果により、100W程度の低電力でも導電率の高い材質を局所的に加熱可能な事が実証され、研究2年目の実用的な深さ方向制御を目指した高次モードによる加熱に向けて着実なステップを踏む事ができた。
|
Research Products
(3 results)