2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガスフロースパッタ法による次世代ナノパーティクル磁気記録媒体薄膜の開発
Project/Area Number |
19560333
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
石井 清 Utsunomiya University, 工学部, 教授 (30134258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 洋志 宇都宮大学, 工学部, 助教 (40375522)
齋藤 和史 宇都宮大学, 工学部, 助教 (70251080)
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Keywords | 磁気記録媒体 / 垂直磁気記録媒体 / スパッタ膜 / ガスフロースパッタ法 / Co-Pt / Fe-Pt |
Research Abstract |
申請者らは、Pt(111)下地膜の上にガスフロースパッタ法により堆積させたCo-Pt薄膜が、幅約10nmの柱状の粒子からなり、c軸が基板に対して垂直となるような結晶配向を持っていること、そのようなナノ粒子構造が7kOeという高い垂直保磁力を生じることを明らかにしている。しかし、次世代の超高密度磁気記録媒体としては、より粒子の分離とサイズをそろえる必要がある。そこでPt下地上へのCo-Ptの成長メカニズムを探るために、Pt下地にArイオンシャワーを施し、Co-Pt成長への影響を調べた。Arイオンシャワー照射時間によりPt下地とともにCo-Pt膜の格子定数も変化し、Co-PtはPt上にエピタキシャル的に成長していることが裏付けられた。そして、保磁力は格子定数とともに大きくなることを明らかにした。また、角型比はPt下地層の表面粗さと相関があり、表面粗さが大きいほど角型比が小さくなることを明らかにした。これらはCo-Ptナノ粒子の結晶配向のばらつきで説明できる。以上のように、Pt下地層の構造が非常に重要であり、これを制御することにより超高密度磁気記録に有利なCo-Ptナノ粒子の規則配列を実現できる可能性が示された。 一方、Co-Ptより結晶磁気異方性が大きなA10構造を有するFe-Pt膜の作製を行った。通常のスパッタ法では基板を加熱しないとL10構造の薄膜は得られないが、ガスフロースパッタ法では基板加熱のない状態においてもL10構造への規則化が起きることを見出した。これは本研究を始める段階における見込みであったが、そのとおりの現象が起きることが確認できた。このことは、ナノパーティクル構造が得られることを示唆している。ただし、L10への規則化度は0.3程度と低く、1に近づけることが大きな課題である。
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Research Products
(6 results)