2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガスフロースパッタ法による次世代ナノパーティクル磁気記録媒体薄膜の開発
Project/Area Number |
19560333
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
石井 清 Utsunomiya University, 工学研究科, 教授 (30134258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 洋志 宇都宮大学, 工学研究科, 助教 (40375522)
齋藤 和史 宇都宮大学, 工学研究科, 助教 (70251080)
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Keywords | 磁気記録媒体 / 垂直磁気記録媒体 / スパッタ膜 / ガスフロースパヅタ法 / 鉄白金 / 低温規則化 |
Research Abstract |
前年度の研究において、Pt(111)下地膜の上にガスフロースパッタ法により堆積させたCo-Pt薄膜が、約10nmの柱状の粒子からなり、7kOeという高い垂直保磁力を生じることを明らかにした。さらに、Co-Ptを堆積する前にPt下地上へArイオンシャワーを施すことにより、Co-Pt膜の格子定数が変化し、保磁力は格子定数とともに大きくなることを見出した。また、Pt下地層の表面粗さが大きいほど角型比が小さくなることを明らかにした。これらのことから、Pt下地層の構造が非常に重要であり、これらを制御することによりCo-Ptナノパーティクル磁気記録媒体が実現できる可能性を示すことができた。そこで、より高密度化に対応させるため、Co-Ptより大きな結晶磁気異方性を有するL10構造のFePtについて同様な粒子構造を実現することを目指した。通常のスパッタ法では基板を加熱しないとL10構造の薄膜は得られないが、ガスフロースパッタ法では基板加熱のない状態においてもL10構造への規則化が起きることを見出した。これは本手法の特長である低エネルギー成膜プロセスに起因するものと考えられる。それらの薄膜をアルゴンガス中でアニールして規則度の増大を図った。その結果、400℃のアニールにより規則化度は0.9、保磁力は14kOeに達し、将来の媒体として十分な磁気特性を示した。一方、成膜時に基板加熱を行うと、より低温において規則化したFePt薄膜が得られた。具体的には、300℃のとき規則化度は0.7、保磁力は8kOeを有する薄膜が得られた。このような低温において規則化したFePt薄膜が得られた例はない。この年度の研究において、ガスフロースパッタ法により得られるFePt薄膜に対する成膜条件と構造および磁気特性の関連性を明らかにすることができた。今後、粒子構造を構築する条件を明らかにすることが求められる。
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Research Products
(12 results)