2008 Fiscal Year Annual Research Report
電磁波レーダを用いたコンクリート構造物の高精度可視化アルゴリズムの開発
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19560348
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| Research Institution | Oita University |
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Principal Investigator |
田中 充 Oita University, 工学部, 教授 (30091341)
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| Keywords | 電磁波逆散乱問題 / 非線形最適化 / 非破壊検査 / コンクリート構造物 / 可視化 / アルゴリズム / マルチグリッド最適化法 |
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| Research Abstract |
本年度の研究目的は,電磁波を用いたコンクリート構造物の非破壊検査を効率的に行うため,平成19年度に開発したマルチグリッド最適化法に基づく可視化アルゴリズムの改善を図ることである。本年度の研究成果を以下に示す。
1.コンクリート構造物の高精度な可視化を実現するため,マルチグリッド最適化法を構成する周波数ホッピング法を改良し,重み付き修正周波数ホッピング法を提案した。この手法は,より高い周波数に切り替えるたびに,過去に用いた低い周波数に対する散乱電界の残差ノルムに重みを付けて汎関数に付加する方法である。均質及び不均質な損失性誘電体円柱を例に取り,重み係数及び周波数の切り替え時期を変化して数値計算を行った。その結果,周波数の切り替え時期にかかわらず,重み係数を0.5とした場合に最も高精度な推定結果が得られることが示された。
2.提案した可視化アルゴリズムの有用性について検証するため,線波源と観測点の個数及び使用周波数の組合せを変化した場合の損失性誘電体円柱の比誘電率の推定精度について数値シミュレーションを行った。その結果,散乱データに含まれるノイズの有無によらず,線波源と観測点の個数及び使用周波数の組合せが比誘電率の推定精度に影響を与えることが明らかになった。
3.可視化に必要な計算時間を短縮して推定精度を向上させるため,マルチグリッド最適化法に新しい正則化法を適用した。この正則化法では,散乱体の比誘電率の推定の進行状況に応じて構造パラメータに関する正則化項が変化する。損失性誘電体円柱の比誘電率の推定について数値的検討を行った結果,正則化法の適用によって少ない反復回数で高精度な推定結果が得られることが示された。
4.平成21年度は,マルチグリッド最適化法の更なる改良を図るとともに,時間領域における電磁波逆散乱問題の解析を行う予定である。
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