2008 Fiscal Year Annual Research Report
ディスポーザブルなマイクロマシンの作製プロセス開発
Project/Area Number |
19560349
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川田 博昭 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 准教授 (90186099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 義彦 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50285300)
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Keywords | MEMS / 薄膜カンチレバー / 微小質量計測 / 移植法 / リソグラフィレス / 離型 |
Research Abstract |
本研究では石英基板上に作られた幅30μm,長さ200μm程度のカンチレバーパターンをデバイス基板に貼り付けて移植することにより極薄膜の微小カンチレバーを作製し,蒸着の膜厚測定に使えるような質量モニターを作製するプロセスを開発する. 1.新規なリソグラフィレスプロセスの開発 石英ガラスなどの基板表面に極薄のフロカーボン膜をコーテイングすることにより,基板表面の撥水性を向上させ,摩擦も低減できる.石英ガラス基板に部分的にこのようなフロカーボン膜コーテイングを行い,その基板に銅の蒸着を行った.その結果,フロカーボン膜コーテイングされた部分にはほとんど銅が蒸着されないことがわかった.そこで,カンチレバーパターン以外の部分にフロカーボン膜コーテイングを行なった基板上に,0.1μmの銅を蒸着,1μmのニッケルメッキを行い,リソグラフィレスでカンチレバーパターンを作製することに成功した.この方法により,昨年度開発した深堀エッチングを用いた方法よりもテンプレートの作製が格段に簡便化された. 2.未硬化SU8の選択配置と接着剤としての利用 テンプレート上に作製されたカンチレバーパターンをデバイス基板上に接着,移植する場合,接着剤は選択的かつ最小限にすることが重要である.ガラス基板にパターニングしたフロカーボン膜コーティングを行い,その撥水性を用いてネガのフォトレジストであるSU8を未硬化の状態でパターニングすることに成功した.この未硬化のSU8をデバイス基板の所望のところに移植し,接着剤とすることによりPMMA/TiO2が軟化する110℃以下の低温プレスでデバイス基板にパターンを移植するプロセスを開発した. 3.これらのプロセスを用いてリソグラフィレスのプロセスでニッケル薄膜カンチレバーを作製することができた.現在,振動特性を測定しており,膜厚測定装置として使用できるかを検討中である.
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